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ユーザビリティ評価の難しさ(UX Fukuoka)

またまたUX Fukuokaという勉強会に参加してきました。前回に引き続き、ユーザビリティ評価(初心者と熟練者の比較)の話でした。
今回は、勉強会で感じたユーザビリティ評価の難しさについて簡単に触れたいと思います。

ペルソナが絶対

ユーザビリティ評価においては、「ペルソナが絶対」という意識が重要です。
ユーザビリティ評価をやるためには、以下を決める必要があります。

  1. ペルソナ(どういう人が使うのか)
  2. ペルソナに沿ったユーザータスク(何をするのか)

1. ペルソナ に模したユーザーが 2. ユーザータスク を行う過程を記録・観察をして評価をします。
この 2. ユーザータスク「ペルソナに沿った」というところが重要です。

例えば、弁当を注文するサイトのテストで、カロリーは特に気にしないようなペルソナの前提において「カロリーをチェックする」というユーザータスクはありえません。

サイト全体のことを考えて「最近は健康志向の人が多いから...」と思っても、ペルソナがそう思わないならタスクとして設定することはできません。
そういう場合は、カロリーを気にするペルソナを新たに作ってそっちでそのタスクを設定する必要があります。

改善案ももちろん、そのペルソナに沿った改善案を提案すべきです。

私が参加していたグループで、今思えば不毛だったな、と思う議論がありました。
ある通販サイトの評価で、「人気ランキングをチェックしたいペルソナ」が前提だったのにも関わらず、途中で「そもそも人気ランキングってこのサイトの中で重要なのか」という話になりました。

しかし、ペルソナがそう思っているという前提ではそのペルソナが使いやすいように改善しなければならないのでそういう考えは捨てるべきでした。

とにかく「ペルソナは絶対」というふうに、ペルソナに最後の砦になってもらうという意識が重要です。

そのため、Webサイト/サービスのターゲットが広い場合は、その分ペルソナを多く用意する必要があります。

タスクはストーリーから

タスクはストーリーから考える必要があります。
タスクを設定するときどうしても、ゴールに対する「ウェブサイト上の行動」を元に設定してしまいがちですが、初めて訪れるユーザーにはそのWebサイトのメンタルモデルがありません。

例えば、弁当を注文するときに得る情報で、Webサイト上で以下のような流れが自然だったとします。

  1. 商品一覧
  2. 価格
  3. 送料

この流れに沿って、以下のようなタスクを設定しても意味がありません。

  1. 商品ってどういうのがあるのだろう、チェックしよう
  2. 価格はどれくらいだろう、チェックしよう
  3. 送料はいくらだろう、チェックしよう

これは、そのサイトを十分に使っていてサイトのメンタルモデルがしっかり形成された人の考え方です。

ユーザーのストーリーから考えて「送料がまず一番に気になる」という話になったのであれば、(例えサイトの動きとして不自然であれ)「送料はいくらだろう、チェックしよう」が1番目にくるべきです。

これに関して、浅野先生から小話がありました。

浅野先生が奥さんから料理の具材のおつかいを頼まれたとき、以下のようなメモを渡されて、スーパーの中をあちこち回るはめになったそうです(笑)

  • 肉類
  • 野菜類
  • 野菜類
  • 肉類
  • 野菜類

普通に考えると以下のようにカテゴリー別に書かれている方が親切です。

  • 肉類
  • 肉類
  • 野菜類
  • 野菜類
  • 野菜類

何でこんなことが起こったかというと、奥さんが「この料理に必要な具材はこれとこれ、次、この料理に必要な具材はこれとこれ」と、つくる料理を思い浮かべながら、料理別にメモをしているからでした。

ペルソナにはそのペルソナなりのコンテクストがあるため、そのコンテクストにあわせたストーリーをしっかり考える必要があります。

また、多くのグループがタスクを箇条書きにしていて、「人は箇条書きで物を考えないから文章で書け」と浅野先生から怒られました(笑)

ユーザーは頑張ってものを使う

なんだかんだ、サイトが使いにくても、ユーザーに「目的を達成したい」という意思があれば頑張って使う、という話がありました。ユーザビリティテストの意義を問うようなことを言われてちょっと驚きましたが、自分の経験から納得しました。

私がIllustratorを使っているときに、Illustratorを「機能が多すぎて使いづらい」と思ったことはありません。「使いこなせない自分が悪い」と思って努力するだけでした。

「デザイナーとして一流になりたい」と思っているユーザーは、多機能でハードルが高くても、頑張ってプロが使っているIllustratorを使うと思います。
本当にピザが食べたい人はピザを注文できるまで頑張りますし、本当に青汁が飲みたい人は青汁を注文できるまで頑張ります。

それこそ、ユーザーのコンテクストを考えて、「使いやすさを改善することがちゃんとプラスになるか、もっとやるべきことがないか」を考えることが重要なんだなと思いました。